

文化自然塾vol.0
長らくFutoを見守ってくださっている皆さんなら、Futoが「自然塾」とか「文化塾」とか言いつづけていたのを、耳にしていらっしゃると思います。(ここでも書いています) やるやる詐欺になりかけていましたが、ずっと構想と準備はしていました(語尾強め)。 ただ、文化自然塾における具体的な活動内容は決めていたものの、そのはじめ方を迷っていた。 概念や枠組みを固め「文化自然塾とはこういうものですよ、参加者募集、きてね」という形を、最初からはとりたくなかったのです。 その理由は、私自身が天邪鬼なせいもあり、型が先にできあがったものに参加することにあまり興味が持てないから。そしてもう一つ大事なことは、言葉や概念が先に立ってしまうことは、文化自然塾の本来のめざす形とは真反対に位置する、と思っていたからです。 そんなこんなでぶつぶつ言いながら時間だけ経っていて、第一歩を踏み出しそびれた足がぶらぶらと振り子のようになってきた今日この頃。 かねてから私たちの活動に共感してくださり、富来の地域再生に向けて考えていこう、と一緒に模索してくださっているPolygonのシャー


自然災害が多すぎる
まるで他人事の稚拙な表現で恐縮なのですが、災害の重なりに心の整理が追いついてない、というのが、今の正直な思いです。 温暖化、異常気象。 私たちはすでに、日々の実感としてそれらを十分すぎるほど味わっているはずなのに、人間の適応能力とはいいのか悪いのか優れたもので、暑すぎる夏にも、異常な海水温が引き起こす現象にも、目の前に広がる非常な光景にも慣れ、感情さえもが麻痺してしまっていることに恐ろしさを感じています。 「昔はこんなに暑くなかった」というのは、能登のみなさんも、口を揃えて言います。 「温暖化」「異常気象」。 記号のような言葉はあちこちで常に飛び交っています。 でも、温暖化につながる理由は何なのか、とか、いつから異常と言い続けてるのか?、あるいは、今自分たちは何ができるのか?といった具体的な話には、及びづらいというのが実感です。 「今まで冷房いらなかったんに、冷房つけた」とか「熱中症になったら大変だから冷房つけろって子どもに言われた」とか、「明日は我が身、防災の意識を高めなくちゃ」とか。 もちろん、自分自身や大切な人の身を守る意識は、何よりも大事


沈黙
今回の熊本地震の第一報を知りまず感じたことは、自分の心が乱れるのを防ごうとして殻をつくった、ということでした。 何かしなきゃ、何か書かなきゃ、と思いながら、自分の心と向き合う勇気ができず、ただ黙っていました。 熊本の皆さんに連絡するのさえ躊躇していました。 震度7の揺れを一度経験した私でも、映像を見るだけで足がすくみ、緊急地震速報の音を耳にするだけで鼓動が大きく乱れ打つような状態です。それが10年の間に二度、しかも以前より大きな揺れを体験した熊本の皆さんがどういうお気持ちなのか。想像するだけでも息がつまるし、その悲しみや苦しみを的確に表現できるような術を、私は持っていません。 能登地震後以降、私たちは、本当にたくさんの熊本の方に助けてもらいました。 支え、励ましてもらいました。災害があったからこそつながった縁や出会いもあります。 それらはかけがえのないとても大切なもので、もし私になにかできることがあれば、これからも全力で応えたいと思っています。 だけど同時に、恥を曝け出す覚悟で言うと、「今度はこちらが支える番!」と即座に動き出せるほどはまだ、心の


台湾レポート 手仕事編4 プラスチック
2026年5月、夕暮れ時。 宮崎さんと別れた一行(福智の法師さん3名と通訳さん、そして私)は、甲府から東京に向かう特急「かいじ」に揺られていました。 少し復習すると、この甲府滞在以前、法師さん含む福智の皆さんは「花まつり」のため富来に滞在していました。 花まつりは毎年5月、富来在住のリンさんが開催してるもので、台湾とか日本国内の福智のメンバーの方が富来に来てくださって(今回は50名!)、催しをしたり台湾素食を振る舞ってくださったり、海岸清掃を行ったりするものです。 私は昨年初めて参加させてもらい、そこで福智の法師さんと知り合い、今年の台湾訪問にもつながりました。 花まつり自体はFutoが関わっているものではないので、本来であれば一個人として行事に参加するだけでいいんですが、今回は法師さんたちに加え、私が3月に台湾に行った際に知り合った方々(オーガニック茶チーム。この話はまたどこかで)も富来に来てくれることになっていたので、皆さんに活動のことや富来の現状を知ってもらおう!と、はりきって、富来の案内を企画したのでした。 Futoメンバーである榎本


台湾レポート 手仕事編3 産地とは「素材」のある場所
2026年5月。 私は、甲府にいました。 え? 台湾にそんな地名あったっけ? と思いのみなさん。 あるんですよ、ええ。東の方の県で、山が見えて、ワインがおいし・・・・ と言いたいところですが、すみません。 ここはKofu、Yamanashi、Japanです。 富士山が見えます。ワインも美味しい、ジャパンです。 話というか、実際に距離も飛びすぎてみんなついてこれないよね。 私も今UFOに乗ってる気分なんですが、ひとまず、甲府のことを忘れていただいて、前回の話に戻りましょう。 前回、台湾レポート手仕事編2で私は、台湾で訪問した3か所を通じて得た視点みたいなものとして、「幾何学模様と装飾」そして「素材」という二つについて、触れました。 今回はその続きなんですが、「幾何学模様と装飾」については別の機会にもっと掘りさげることになると思うので一旦置いておいて、これから、主に、「素材」について語っていきたいと思います。 冒頭から結論みたいなことを言ってしまいますが、私は台湾での滞在を経て、あるいはその前後で「手仕事」とか「産地」に思いを巡らせるなかで、


台湾レポート 手仕事編2 継承と伝統のアップデート
事前情報を詰め込みすぎて混乱ぎみなまま台湾にやってきた私ですが、今回、台湾の手仕事を知るために訪問したのは以下の3ヶ所です。 ◆Kamaro’an https://www.kamaroan.com/ ◆新北市烏来泰雅民族博物館 https://www.atayal.ntpc.gov.tw/ ◆達卡(ダカ)工作坊/ 高林美鳳(カオリン・メイフェン)さん(「烏来織藝協会」のメンバー、達卡工作坊代表) 詳細なレポートをここにも掲載しようか迷ったのですが、長くなりすぎるので、省きます。 (メモに毛が生えたような感じですが、帰国直後に作成したので熱量だけは結構あるレポートはこちらをどうぞ) さて、このブログのタイトルにもありますが、今回この3箇所の訪問を通じてのキーワードは「継承」そして「伝統のアップデート(更新)」。 なぜ文化財レスキューが災害支援につながるのか(4) ここにも書いたのですが、私たちは、今回の地震を機に発掘された富来のものづくりや手仕事についての聞き取りを行い(必要に応じて再興し)ながら、手仕事を「継承」す

