遠くにいるの?
東日本大震災をきっかけに用意していたというお宅を、拠点としてお借りできる話が進みました。
「東日本大震災の被災者の方にいつでも住んでもらえるようにってリフォームしてたの」
めぐりめぐって今、ありがたいことにFutoが使わせてもらえることになりそうです。
思い返せば私は、東日本大震災発生から1年かけてやっと被災地へ足を運び、その後、暮らしの拠点を地元石川県に移すと決意しました。
1年は、あの出来事を自分の中で受け止めるために必要な時間でした。
被災地である能登では、状況は刻一刻と変化します。
逆に、能登から離れた地域では、日々はゆるやかに流れ季節は移り変わっていきます。
「今すぐ何かしなくては」
その焦りは地震発生当時から抱いているものでした。
「この時を逃したらきっと忘れられてしまう」
その漠然とした不安も、ずっと抱いているものです。
でも、もしかして、人の心ってそうそう簡単に変わらないものかも。
むしろ、もっともっと緩やかにうつろうものかもしれない。
「待つこと」
流れに身を委ね、今聞こえる声を聞く。
遠くで聞こえるかすかな声、誰か大切な人の声、自分の声。今聞こえる声に耳をすます。
それが風の戸プロジェクトの根幹だったぜ。と気づく2月ももうすぐ終わりです。
富来に、コウノトリのつがいが帰ってきているらしい。
(カバー写真はメンバーのプロフィール写真から)